内視鏡
ENDOSCOPE
ヒトの医療でいうところの胃カメラです。
内視鏡検査をするには全身麻酔が必要ですが、手術のようにメスを入れることなく胃腸の粘膜、
鼻咽頭部の状態や病変を直接観察することができます。
内視鏡検査とは
メスなどを用いて身体を物理的に開く手術とは異なり、口から内視鏡を入れるだけですので身体への負担を大きく減らすことができるのがメリットです。
実際の症例紹介
(胃腸の検査・生検)
生検鉗子
生検鉗子
病理組織
病理組織像
主な採取部位
症例1:炎症性腸炎(IBD)
8歳 トイプードル
炎症性腸疾患(IBD)とは、免疫の異常が関わっていると考えられている原因不明の慢性腸炎です。
特定できる他の疾患がなく、病理組織検査で腸の粘膜に白血球など炎症細胞が集まっている像が見られるのが特徴です。2•3週間続く嘔吐や下痢、体重減少などの症状があらわれ一般的な治療では改善されません。
乳腺腫瘍の切除を希望され来院されました。手術前の血液検査にて低アルブミン血症が認められたため、乳腺腫瘍の切除と同時に内視鏡検査を実施することとなりました。本来は滑らかなはずの腸の表面が、全体的にでこぼこしています。
症例2:リンパ腫
10歳 ミニチュアシュナウザー
2日前から食欲がなく、嘔吐と下痢があると来院されました。血液検査にて低アルブミン血症、腹部超音波検査にて小腸の粘膜の肥厚やリンパ節の腫脹が確認されたため、内視鏡検査を実施しました。小腸の粘膜にある柔毛と呼ばれる突起が白く目立っています。
症例3:好酸球性胃腸炎、らせん菌感染
14歳 ミニチュアダックスフント
慢性的な下痢と体重減少を主訴に来院されました。血液検査にて低アルブミン血症が認められたため内視鏡検査を実施しました。採材した部分からの出血がひどく、胃の粘膜は全体的に赤くただれています。
症例4:直腸ポリープ
14歳 ミニチュアダックスフント
血便と食欲不振を主訴に来院されました。後日内視鏡検査にて直腸に赤く大きな腫瘤病変が確認されました。
実際の症例紹介
(異物の摘出)
異物を誤食してしまった場合には迅速な対応が重要になります。腸閉塞を起こしてしまう前であれば内視鏡を用いることでお腹を開けずに異物を摘出することができます。
症例5:内視鏡で摘出した異物
中には内視鏡だけでは取り出せない場合もあります。異物が胃と十二指腸にまたがっている場合です。その場合には開腹をして、十二指腸にある異物を外から手で胃まで戻してから内視鏡で摘出することもあります。
ゴム性マット
卵パックの紐
ヘアゴム
ヘアゴム
靴下
左:胃の中、右(コの字):十二指腸の中
症例6:鼻腔内の内視鏡検査
数日前から鼻詰まりがひどいと来院されました。X線レントゲン検査にて鼻腔内に影が認められたため、CT検査と同時に鼻腔内の内視鏡検査を実施し、腫瘤病変が確認されました。
正常な鼻腔内